2019/04/30 01:05


オリーブの樹につく害虫のひとつがオリーブアナアキゾウムシ。
成虫のメスは3日以内ごとに卵を樹の幹に産み付けるらしい。
孵化した幼虫は幹の中を喰い進む。
樹は導管が断たれると根が吸い上げた水分や養分を枝葉に送れなくなる。
もし複数の幼虫が幹回りを1周したら、樹は枯れてしまう。
農薬を使わずオリーブ栽培をするには、ゾウムシの成虫、幼虫を
日々捕獲することが大切な仕事となる。
成虫は夜行性なので日の出前の暗いうちに探す。
その成虫を見逃しても、樹に直接ダメージを与える幼虫を見つけ出せれば一安心。



ゾウムシの幼虫は幹の中に潜んでいるため、外側からその姿を見ることができないが、
幼虫が樹を食害し始めてからしばらく経つと、おが屑状の糞が表に出てくる。
それを頼りに樹肌にドライバーの先を入れて掘る。
BINGO!



体長は10mmほど、そこそこ大きいので去年孵化して越冬した模様。
卵が産み付けられた時期で異なるが、春の産卵から羽化まで4か月から半年ほど。
夏場の産卵だと1年くらいかけて羽化するのだという。
この樹で成虫を捕獲した最後が去年の8月31日。
おそらくその個体がメスだった可能性大。
この幼虫1匹だけとは限らないので、しばらくこの樹は要注意。

それにしても、非常に判り易い痕跡。
ある意味とても親切な害虫、オリーブアナアキゾウムシ。



tematoca 手間土果